空気人形

☆☆
初公開年月 2009年9月26日
鑑賞メディア;DVD
初公開年月 2009年9月26日
鑑賞メディア;DVD
監督:是枝裕和2点
原作:業田良家『空気人形』
脚本:是枝裕和2点
撮影:リー・ピンビン3点
美術:金子宙生3点
美術監督:種田陽平3点
編集:是枝裕和2点
音楽:world's end girlfriend2点
音楽プロデューサー:佐々木次彦2点
人形デザイン:寒河江弘4点
人形原型:寒河江弘4点
原作:業田良家『空気人形』
脚本:是枝裕和2点
撮影:リー・ピンビン3点
美術:金子宙生3点
美術監督:種田陽平3点
編集:是枝裕和2点
音楽:world's end girlfriend2点
音楽プロデューサー:佐々木次彦2点
人形デザイン:寒河江弘4点
人形原型:寒河江弘4点
出演:ペ・ドゥナ(空気人形)2点、ARATA(純一)2点、板尾創路(秀雄)2点、高橋昌也(敬一)2点、余貴美子(受付嬢)3点、岩松了(鮫洲)3点、星野真里(美希)2点、丸山智己(真治)3点、奈良木未羽(萌)3点、柄本佑(透)3点、寺島進(轟)3点、オダギリジョー(人形師)3点、富司純子(未亡人)2点
様々なメディアでの評判がすこぶる良い。で、期待して観てみた。それほど面白いか?
これが、去年公開された映画の中で一番評価されているとしたら、もう私は映画を観る目がないのです。で、この程度のテーマが現代的だというのなら、明治の文豪夏目漱石の孤独など誰も理解できていないことになる。
ダッチ・ワイフが心を持つことは別に新しいアイディアではない。 ピノキオのことですね。それの大人版でしょ。
空気人形と同じで登場人物が全てからっぽで満たされない人々であることを表現しているのですね。若くない受付嬢。客の来ない特徴のないレンタルDVD店。何故か過食症のOL。母親のいない小学生。代用教員でしかなかった老人。フィギュアでしか感じない浪人生。毎日、プランターに水をやることしか仕事のないおまわりさん。犯罪ニュースにしか反応できない一人暮らしの老女。
一番心の無いのがダッチワイフの持ち主。自分の都合のいいように話を変えて毎日愚痴を聞かされる人形。人形なら黙って聞いてくれるし反抗もしない。
余りにも孤独で満たされないのは、自分自身が社会の中の一員であると実感できていないからだ。それに比べてダッチ・ワイフはむしろ社会的に有用なのではないだろうか。AVと同じで性欲処理という大事な部分を担っている。
人間は結局そこを割り切れないのだろう。誰かを好きで愛さなければ肉体関係を結ぶことが難しいのだろう。そういう不条理が人間の弱みなのだ。
そういう弱みを持ってしまった人形が苦悩する話なのだ。
しかし、設定が貧乏臭いのでファンタジーとしても弱い。特にマニア向けにテオ・アンゲロプロスの名前を出してみたり、アンドレイ・タルコフスキーの「ソラリス」と同じような空中浮遊のシーンを安下宿の部屋で唐突に見せても盛り上がらないことはなはだしい。
途中で空気ポンプを捨てたり、人形師のもとへ行っているのに自分の手首の傷を直さずにテープで張ったままにしておいたり、最後に自分の恋人の腹を裂いてみたり、前後関係も何も無くこれらの人形の行動に納得がいかない。
また、多くの人にエロチックにみえるらしい空気人形が人間になるときや人間から空気人形に戻るところなど、もっとCGを多用して無機質なものが有機物に変わる瞬間を出して欲しいと思う。タンポポの綿毛に使っているCGでは安っぽくて面白みに欠ける。
ペ・ドゥナという日本人でない俳優を主人公に使っているので、どこにもIDのない外国人の風俗嬢の比喩としてのダッチワイフなのかなと思っていたが、そうでもないらしい。そこらを観客に託しているのならクリエイターとしてはプロではない。
私にとって是枝監督は、西川美和という才能を世に送り出したひとのいいおじさんとしてしか記憶に残らない。