死刑台のエレベーター

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☆☆
鑑賞メディア;DVD
初公開年月 2010年10月9日
監督:緒方明2点
原作:ノエル・カレフ
脚本:木田薫子2点
オリジナル脚本:ロジェ・ニミエ、ルイ・マル4点
撮影:鍋島淳裕
美術:磯見俊裕
衣装:宮本まさ江
編集:矢船陽介
音楽:山本友樹
音響効果:今野康之
主題歌:YUKI『ベッドタイムストーリー』
主題歌作曲:野崎良太
VFXスーパーバイザー:道木伸隆
VFXプロデューサー:大屋哲男
ギター演奏:渡辺香津美
スクリプター:川野恵美
ヘアメイク:井川成子
照明:三重野聖一郎
美術デザイナー:鈴木千奈
録音:星一
助監督:浅利宏

出演:吉瀬美智子(手都芽衣子)、阿部寛(時籐隆彦)、玉山鉄二(赤城邦衛)、北川景子(松本美加代)、平泉成(神健太郎)、りょう(中井朔美)、笹野高史(遠野)、熊谷真実(恩田真紀子)、田中哲司(泉仙一)、堀部圭亮(工藤浩一)、町田マリー(並木遙)、上田耕一(新川署長
)、津川雅彦(手都孝光)、柄本明(柳町宗一)

 いつか読書する日」は名作である。あのような個性的な面白い作品が撮れる監督が何故、今、おフランスのかつての名画をリメイクしなければならなかったのか?

 脚本はほとんど変えていないように思える。また実際の現代日本に置き換えていながら、昭和30年代っぽいビルにヨーロッパの高級車や多くの外人を使い当時のフランスのような雰囲気を出している。
 それは映画のアングルや主人公たちにも及んでいて、モデル出身のバタ臭い美男美女が出てくる。

 吉瀬美智子は、ジャンヌ・モローよりきれいだし、阿部寛もスタイリッシュだ。

 やくざの親分である平泉成と刑事役の柄本明以外は、監督の演出どおりに定型的な抑えた淡々とした演技で、個性をわざと殺している感じだ。中身を空にする演出のひとつなのかもしれない。スタイリッシュで空虚だ。
 
 しかし、何故この作品を邦画にする必要があったのかの疑問は解けない。様々な加工をして現代日本を50年代のフランスらしく見せて何をしたかったのだろう?

 ライカのカメラやニュー南部という拳銃等のマニアックなこだわりも昭和を強く意識している。

 この作品を作るなら、ルイ・マルの作品をカラライゼーションしても同じなのではないか?原作を超えられないなら現代日本でこの作品の持つ意味を教えて欲しい。そこが分からない中途半端な作品だ。

 是非フランスで上映してその評価を知りたい。