不知火檢校

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初公開年月 1960年9月1日
鑑賞メディア;BS

監督:森一生 4点
企画:奥田久司 4点
脚本:犬塚稔 3点
撮影:相坂操一 4点
美術:太田誠一 4点

出演:勝新太郎 4点、中村玉緒 3点、近藤美恵子 3点、安部徹 4点

 深夜のNHKで見た。検校(けんぎょう)と言うのは室町時代以後の盲人の最高位のことをいう。
 勝新演じる盲目の鍼灸師が徹底的なワルとして 周囲の人々を利用し、高利貸しをし、最後は自分の師匠まで殺し、やくざを自分の取り巻きとして出世を極めるというピカレスクロマン。
 現代では企画自体が通らないであろう題材。被差別者である盲人が実はとんでもない悪人で、健常者が恐れおののくほどの犯罪をやってのける。しかし、決して暗く不安になることは無い。

 それは、監督の力量が優れているからである。モノクロ画面の安定した画面構成。勝新の的確で少々オーバーな、しかし、メリハリのある演技。その後シリーズで作られる座頭市を思わせるそこはかとないユーモア等見所は多い。

 しかし、こういうものもプログラムピクチャーというのだろうか。現代劇では扱いにくい題材を時代劇というフィルターを掛けてうまく表現している。また、映画的表現によって分かりやすく説明がなされていることに舌を巻く。既にこの時点で森一生は円熟していたのだ。

 蛇足ながらやくざを演じる安部徹も既にあまりにうまい。この後の悪役専門より抑えた演技で、人間の弱さや駄目さをうまく表現できている。