蟹工船

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初公開年月 2009/07/04
鑑賞メディア;CS

監督:SABU1点
プロデューサー:宇田川寧、豆岡良亮、田辺圭吾1点
エグゼクティブプロデューサー:樫野孝人1点
原作:小林多喜二
脚本:SABU2点
撮影:小松高志3点
美術:磯見俊裕、三ツ松けいこ2点
編集:坂東直哉3点
音楽:森敬2点
音楽プロデューサー:安井輝2点
音響効果: 柴崎憲治、中村佳央2点
主題歌: NICO Touches the Walls 『風人』
VFXスーパーバイザー:大萩真司2点
照明:蒔苗友一郎3点

出演:松田龍平(漁夫・新庄)3点、西島秀俊(浅川監督)3点、柄本時生(雑夫・清水)2点、

 多くの男優たちを無駄遣いした駄作。どの俳優もそれぞれうまいし個性もあるのだが、監督の演出が全く出来ていないので結局何も伝わらない作品になってしまった。

 レトロなスチームパンク的な大日本帝国の蟹漁の船の内部を考えるだけで一杯になってしまった監督は多分「アニマルファーム」も読んだことが無いのだろう。現代日本の派遣暮らしの若者達を象徴したいのなら「蟹工船」よりジョージ・オーウェルのような古典を蘇らす方が意味があると思う。

 一昔以上前の学生たちの舞台劇を見ているかのような安っぽいハリボテ風の船内。特にロシア船の内部のチープさや下らないシナ人のごたく。中学生も耳を傾けないぜ。

 映画の主張に反して監督はちゃんと考えていないので共産主義や人権や経済や政治について説得力が何も無い。それを誤魔化すためにすべりまくりのユーモアで逃げている。

 予算のほとんどは、茹でた蟹に使われてしまったのであろう。

 で、製作者に聞きたい。この作品で儲けようとしたのか?現代の若者を鼓舞しようとしたのか?お前たちは一度でも理不尽で不条理な会社や上司に仕えて悔しい思いをしたことがあるのか?

 それならば未だ前近代的な邦画の製作現場をどのように考えているのだ?使い捨ての助監督たちに満足な給料や休みを与えているのか?最後に出てくるボランティアに対するお礼?彼らに儲けの一部でいいから与えろ!こんなキャプションを出すなら。

 ね、このように映画はヒットしなくては誰も潤わないの。そのためにはちゃんと面白いものを作らなければならないの。また儲け抜きで主張(プロパガンダ)だけしたいのなら日本共産党をスポンサーにして小林多喜二の原作どおりに撮りなさい。