ICHI

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初公開年月 2008年10月25日
鑑賞メディア;DVD

監督:曽利文彦 4点
脚本:浅野妙子 4点
撮影:橋本桂二 4点
美術:佐々木尚 4点
編集:日下部元孝 4点
VFXスーパーバイザー:松野忠雄 3点

出演: 綾瀬はるか 4点、 中村獅童 4点、窪塚洋介 4点、柄本明 3点、竹内力 3点、大沢たかお 4点

 座頭市といいながら、「はなれ瞽女」と黒澤の「用心棒」を混ぜたような出来。そこは、時代劇へのリスペクトが感じられて良い。いいものは、しっかり使わないと。うまくパクっているので脚本も監督もクレームをつけられていないようだ。

 盲目という厳しい状況で生きていくというのは、想像を絶する。大きなハンデを背負いながら我々健常な馬鹿より孤独で深い人生を歩む。そのことが、綾瀬はるかのきれいな顔に比喩的に表現されている。いかにも映画的な嘘と言う奴でこれも良い。
 実際には鏡を見ることも無いのでうまく化粧も出来ないし、汚れていてもわからないのだろうけれど、そこは映画的象徴表現でいいのだ。娯楽ですから。

 また、綾瀬が怪我をしながら挑戦したスタント無しの殺陣もよろしい。やはり、役者は動けなければ。動きが美しくなくてはならない。それをCGの血糊を飛ばしてリアルに見せようとしている。この血糊が少し興ざめ。CGと分かってしまうので。VFX出身の監督にしては少し妥協したか。

 大沢たかお演じるとんまな武士も現代的で良い。すぐPTSDになったりトラウマを抱えて苦しむ若者風でいいではないか。単純で純情で病気は一過性。だって盲目は一生続く苦しみだぜ。その軽さをうまく演じていると思う。脚本の力がある。

 中村獅童は以前からうまい役者だと思っていたがここでも楽しい。いかにも歌舞伎風のオーバーアクトでその邪悪なファンタジーを増幅させている。

 久しぶりに見る窪塚洋介も少しひねた不良少年がうまい。これもいかにも現代的。悪ぶったりひねくれたりが立ち振る舞いにも台詞回しにもうまく一致して適役。

 で、しっとり池のそばで綾瀬と大沢をデートさせて見せたり緩急もいい感じ。が、一番の理解者とは結ばれない悲劇もいい。

 エロチックなシーンも適度で小学生には無理かもしれないが、高校生にはいいかも。
 私のようなおっさんも楽しめる娯楽時代劇として十分合格点。